子どもたちの学びの姿勢を大切に

 1年生の2学期には、1年生英語の最大のヤマ場、3単現を指導するレッスンがあります。SUNSHINEの新教科書では、PROGRAM5がそれにあたります。

 

 三人称の疑問文を導入する授業で考えたことです。

 

 三人称の肯定文と疑問文を先に導入し、この日は、疑問文を指導する時間でした。Do you ~?の疑問文と対比させて、三人称ではどのように聞けば良いかを考えさせる導入としました。Do you ~?とたずねたところを、Does he ~?に変換させたり、Yes, I do.と答えるところをYes, he does.と変換させたりしました。必然的に授業の流れは、文法操作を教え込む流れになり、生徒との内容を伴ったインタラクションがなくなり、教師の話が長くなりました。すると生徒の反応も鈍くなります。インタラクション中には上がっている顔も下を向く生徒が現れ、授業に乗っている雰囲気が感じられません。「失敗したな」と思いながら、その日の授業が終了したとき、子どもたちに申し訳ない気持ちになりました。

 

 その日の放課後、一日の授業を振り返ったときに、「今日の授業は大いに反省すべきだ。」と思ったのと同時に、「今日の姿は普段の姿の裏返しなのではないか」と気づきました。つまり、普段自分が心がけている「生きた英語を使って生徒と意味のあるインタラクションを通して、新しく学ぶ英語に生徒自身が気づき、活動を通してそれを体に染み込ませていく授業」の中で、生徒は「今日学ぶ英語は何だろうか。」「これを伝えるには、こう言えばいいのか。」「これは英語で何と言うんだろう。」などと、自分で考えながら教師や友達の話を聞いたり、自分が伝えたいことを一生懸命英語で話したり、書いたりしていたのだと思います。これこそが、我々中学校英語教師が生徒に求める姿であり、自分が実践しようとしている授業での生徒の姿です。

 

 これまでの実践を通して、子どもたちの中には「生きた英語を使った、意味・内容のあるやりとりの中で新出言語材料に気づき、自己表現活動の中で使いながら身につけていく。」という姿勢が浸透してきているのだと感じました。

 

 これまでの取り組みが間違ったものではないと考え、大きく変える必要はなく、子どもたちが今、身につけつつあるこの学びの姿勢を大切にしなければならないと思いました。